高血圧とは
高血圧は通常、自覚症状がほとんどありません。しかし、適切な管理をせずに放置してしまうと、心臓病(心筋梗塞や狭心症など)、脳卒中(脳出血や脳梗塞など)、腎臓病(腎不全など)といった、生命に関わる重大な疾患を引き起こすリスクが高まります。
これらの深刻な病気の危険性を減らし、いつまでも健康で質の高い生活を送るためには、血圧を適切な範囲にコントロールすることが非常に大切です。
血圧の数値とその意味
血圧は、例えば「130/80mmHg(ミリメートルエイチジー)」のように、二つの数値で表されます。心臓は、全身に血液を送り出すポンプのような役割を果たしており、リズミカルに収縮と弛緩(しかん:ゆるむこと)を繰り返しています。
- 収縮期血圧(最高血圧/上の血圧):心臓がギュッと収縮して血液を送り出した瞬間に、血管の壁にかかる圧力のことです。(例:130mmHg)
- 拡張期血圧(最低血圧/下の血圧):心臓が収縮した後に拡張し、血液が心臓に戻ってくる際に、血管の壁にかかる圧力のことです。(例:80mmHg)
日本高血圧学会の基準では、クリニックや病院で測定した際の血圧が140/90mmHg以上の場合、高血圧と診断されます(家庭で測定する場合は135/85mmHg以上が目安です)。
日常生活でできる血圧対策
高血圧の予防や改善のためには、まず日々の生活習慣を見直すことが基本となります。以下の点に気を付けてみましょう。
- 塩分を控える:食塩の過剰な摂取は血圧を上げる大きな原因です。1日の塩分摂取目標量を意識し、薄味を心がけましょう。
- 適正体重の維持:肥満、特に内臓脂肪が増えると血圧が上がりやすくなります。体重コントロールをしましょう。
- 適度な運動:ウォーキングなどの有酸素運動を、1日30分程度、できれば毎日続けることが推奨されます。
- 節酒:アルコールの飲みすぎは血圧を上昇させます。適量を守りましょう。
- 禁煙:喫煙は血管を収縮させ、血圧を上げるだけでなく、動脈硬化を急速に進行させます。禁煙は非常に重要です。
- 十分な睡眠とストレス管理:睡眠不足やストレスも血圧に影響します。リラックスできる時間を作りましょう。
高血圧の治療について
生活習慣の改善を続けても血圧が十分に下がらない場合や、もともと他の病気のリスクが高い方(糖尿病や脂質異常症などがある方)は、医師の判断により血圧を下げるお薬(降圧剤)による治療が必要になることがあります。降圧剤には様々な種類があり、患者さん一人ひとりの状態に合わせて選択されます。自己判断でお薬をやめたりせず、必ず医師の指示に従いましょう。
よしだ消化器内科クリニックでは、消化器疾患だけでなく、高血圧をはじめとする生活習慣病の管理・治療にも力を入れています。お気軽にご相談ください。